健康管理室たより
厄年 今、昔
 男性の厄年は数えで42歳、女性は33歳といわれています。日本人の寿命がまだ短かったころ、厄年を越えるのは大変なことでした。
 昭和27年の日本では、男性の平均寿命は60歳、女性では63歳でしたが、平成14年は男性78歳、女性85歳とたった50年の間に寿命が20年も伸びています。そのためか近頃の私たちの生活では、厄年が別の意味を持ってきています。
 女性の社会進出が原因でしょうか、最近では女性でも厄年といえば33歳というより42歳頃の方がクローズアップされているように思います。

 心配ごと統計を見ても40代を過ぎると、30代までと比べて急に死亡率が上がります。三大生活習慣病といわれるがん(悪性新生物)、心疾患、脳卒中(脳血管疾患)なども、この年代になると急に増えてきます。
  40代後半になって急に死亡率が上がるものとして胃がん、肺がん、肝臓がん、乳がんなどがあります。胃がんなどは食生活が影響している場合があり、いうまでもなく肺がんの最も大きな原因は喫煙習慣です。心疾患や脳卒中なども、日ごろの食生活や喫煙習慣などの影響がとても大きいことはよく知られています。
  がんの多くは健診でみつかることが多いものです。からだのメンテナンスをするためにも、40歳以降の健康診断は大事な意味をもっていますし、結果をみて日常生活を見直してみることは更に重要です。特にがんなどは早期にみつかれば経過は違ったものになるでしょう。

  また、40代というのは、からだの問題ばかりではなく、こころにも不都合が生じてくる時期です。年老いたご両親、生意気盛りのこども、こどもが小さかったときにはなかった夫婦の問題、教育費、自宅のローン、職場での立場、わかってくれない上司、理解できない部下、リストラの心配等々、それぞれ事情は千差万別でも、避けがたい難しい問題を山のように抱え、こころに負担のかかる時期でもあります。
 事実、日本人の死因の第6位は「自殺」であり、40代以上の働き盛りの自殺は他の国にはあまりみられない現象です。よって、ストレスについて対策をたてる必要が増してきています。

 自殺という極端な行動や精神不安定などを引き起こすこころの問題を抱えないために普段からできることは、自分のこころにも、まわりの人間関係にも風通しをよくしておくことです。自分専門医に相談の性格の傾向を知って、できないことは無理をしない、別の方法を考える、場合によっては誰かほかの人に任せてしまうことも必要です。
 もし、つらいことが重なって眠れない、気力が続かない、食欲も無いなどの症状が出てしまったときは、早めに専門医に相談することが必要です。
 また、こころの問題は、周囲の環境にも左右されます。周りで辛そうな人がいたとき、話を聞くなどの人を気遣う余裕も大事です。持ちつ持たれつで、みんなで助け合えるような環境作りをこころ掛け、難しい現実と折り合いをつけて、楽しく暮らしていきたいものです。こころもからだも元気に!

昔と今では厄年の意味も変わりましたが、 こころもからだも元気に乗り越えたいですね!