SARS「重症性急性呼吸症候群」

SARS
 SARS(Severe Acute Respiratory Syndrome)は、日本では「重症性急性呼吸症候群」と呼ばれ、38℃以上の突然の発熱、痰を伴わない乾いた咳、呼吸困難、胸部レントゲン写真に特有の所見が見られる病気です。他にも頭痛、悪寒戦慄、食欲不振、全身倦怠感、下痢、意識混濁などが見られることもあります。致死率は14〜15%といわれていますが、年齢によって差があり、24歳未満では1%未満、25〜44歳では6%、45〜65歳では15%、65歳以上では20%です。SARSは平成14年に中国で発症し、平成15年の終息宣言時までには、33カ国に渡り、感染者約8500人、死者は812人にもなりました。
 SARSの原因は「SARSコロナウイルス」という新型のウイルスで、主に唾液や鼻水などの飛沫によって感染します。ワクチンなどが無いため、治療は対症療法が中心となります。潜伏期間は2日〜7日で10日以上たっても症状がない場合は発病の可能性は少ないといわれています。インフルエンザと流行時期が重なり、両者の区別がつきにくいことが心配されています。

 

 

SARSとインフルエンザの特徴

SARS

インフルエンザ

原 因
SARSコロナウイルス

インフルエンザウイルス

主要感染経路
飛沫感染・接触感染 飛沫感染
主な症状
38.0℃以上の急な発熱、痰をともなわない咳や呼吸困難などの呼吸症状 38.0℃以上の急な発熱、咳などの呼吸症状、悪寒や全身の倦怠感
主要な
予防方法
特になし ワクチンの予防接種

 

SARSが疑われる時
10日以内にSARSの「流行地域から帰国」するか、又は10日以内に「SARS患者の痰や体液に触れる」等の濃厚な接触があった方で、「38℃以上の発熱」があり、「咳または息切れ等の呼吸器症」状がある方。

SARSは一般の病院では受け付けていません。疑いのあるときは、最寄りの保健所に電話で相談の上、指示に従ってください。尚、SARSは平成15年11月に1類感染症に指定されており、治療は公費負担で受けられます。

 


SARSの予防は!?
1.手洗い、うがいをしましょう
2.マスクを着用しましょう
3.規則正しい生活、ウイルスに負けない抵抗力をつけましょう
4.流行地には行かないようにしましょう
(基本的にインフルエンザや風邪の予防と同じです)

〜消毒方法〜
塩素系・中性洗剤に入っている界面活性剤が有効。水1リットルに洗剤5ccで拭くと消毒できます。

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